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FANCIは,DNA損傷に応答して働くキナーゼATMやATRの基質の一つです。
内在性のFANCIを壊したchicken DT40細胞(fanci cell)に
GFP融合したchicken FANCI(GFP-chFANCI)を発現させて,
MMC(DNA損傷薬剤)によるFANCIのリン酸化を調べています。
WTは,通常のSDS-PAGEで,ユビキチン化したFANCI-Lと
ユビキチン化していないFANCI-S の2本のバンドが観察されます。
ユビキチン化部位のK525を変異させたK525Rは
FANCI-Sのみ観察されます。
MMCが与えられると,FANCIがリン酸化したFANCI-Pが観察されます。
WTでは,FANCI-L とFANCI-Sの両方がリン酸化して2本観察されます。
K525RはFANCI-Sがリン酸化したもの1本が観察されます。
このことから,FANCIのリン酸化には
あらかじめユビキチン化していることが必須ではないことが証明されました。
Ax6は,FANCI のリン酸化部位のセリンをアラニンに置換したもので,
リン酸化は観察されません。